望遠レンズをガイド鏡に2019年08月04日

QHY5L-II-Mをオートガイダーとして利用してますが、組み合わせるガイド鏡は口径30mm、焦点距離130mm (F4.2)のミニスコープか、FS60CB+レデューサーの60mm、焦点距離255mmF4.2)でした。30cmのGinjiを使うようになって、もう少し長焦点に対応できる物が欲しいなぁと思っていて家を探したところ・・・、ありました。
 
子供の写真を撮るために昔買って、その後全く使わなくなっていた、所謂大三元の1つ、ニコン 70~200mm F2.8。口径は、71.4mmもあります。しかも、以前、このレンズを望遠鏡として使うため、接眼レンズを付けられるようなアタッチメントを作成済み。考えれば考えるほど良いガイド鏡になりそうです。(^^)

これは使わない手はない、ということで、昨日の遠征観測に持って行ったところ、非常に良かったです。やはりF2.8は良い。露出が少なくて済みますのでガイド精度も良くなりそうです。

望遠レンズとオートガイダーのアタッチメントは、レンズ裏蓋のキャップ中央に大きな穴を開け、ビクセンの36.4-31.7ADを取り付けた物です。





望遠レンズに取り付けると、こんな感じです。


 

ただし、気をつけなければならないことがあります。

レンズには絞りが付いていて、カメラから取り外した状態や、単にレンズ裏蓋を取り付けただけでは、絞りが最小の状態になってしまいます。これでは最小F値でしか利用できませんので、F2.8で利用には一工夫が必要になります。

レンズにはマウントの部分に、絞りを調整するための”レバー”がついています。フラッシュが当たっているところの直上にあるのがそのレバーです。


 
 
裏蓋を取り付けたときに、このレバーを絞り解放側(写真では左→右側)にシフトしてやればよいのです。私はこのために、裏蓋に硬質のゴムを取り付けました。円周の溝、右側に付いているものがそれです。このゴムがレンズ装着の際レバーを右に押しやり、絞り開放状態での利用をサポートしてくれます。




30cmのGinjiに取り付けるとこんな感じです。望遠レンズがとても優秀なガイド鏡に変身です。(^^)


 

勿論単にガイド鏡としての利用だけではなく、このままオートガイダーを一眼に付け替えて、70-200mm F2.8での撮影としても利用予定です。

利用用途が広がると楽しいですよね。

M8 干潟星雲2019年08月06日

8/3-4の夜、新月期ということで天城高原に遠征観望に行ってきました。

今回撮影を行ったのは、

・球状星団M13
・干潟星雲M8
・三裂星雲M20
・三日月星雲NGC6888
・らせん星雲NGC7293

です。本当はM16、M17、M22あたりも撮影したかったのですが、霧のため多くの時間をロスト。上記のみとなりました。

まずはM20三裂星雲です。赤と青の対比が非常に美しく、私の好きな星雲の一つです。凄く綺麗だと思いませんか!?



望遠鏡:Ginji-300FN + コレクターPH (1,159mm F3.8)
カメラ:Nikon D7500 (HKIR改造)
フィルター:LPS-D1
撮影条件:ISO8,000 45秒 x 17枚をSIで加算平均スタック


そして次は、三裂星雲のすぐ近くにあるM8干潟星雲です。フルサイズのカメラなら800㎜の望遠でも同一視野に入るほどご近所。今回はそれぞれを拡大撮影してみました。(^^)
よーく見ると本当に複雑なものがたくさん見えますね。




望遠鏡:Ginji-300FN + コレクターPH (1,159mm F3.8)
カメラ:Nikon D7500 (HKIR改造)
フィルター:LPS-D1
撮影条件:ISO8,000 30秒 x 37枚をSIで加算平均スタック

NGC7293 らせん星雲2019年08月12日

先週末の遠征で撮影したNGC7293 らせん状星雲です。

秋の星座であるみずがめ座にある、太陽系に最も近い惑星状星雲です。大きくて明るい惑星状星雲には M27 (満月の1/4程度)がありますが、大きさだけでいうとこちらの方が上。何と満月の半分程度もあり、地球から見た、見かけの大きさが最大の惑星状星雲と言われています。

眼視では淡いのですが、写真ではこの様に写ります。らせんの様な円弧を描く様子から、らせん星雲と呼ばれています。

私が撮りたかった対象の一つです。なかなか機会に恵まれませんでしたが、今回やっと。(^^)

惑星状星雲は命尽きた星の姿ですが、色、形、大きさ、など、みな個性があって、見ていて飽きません。
 
 
撮影日時:8/4 AM2:34 ~ 3:02
撮影場所:天城高原
望遠鏡:Ginji-300FN + コレクターPH (1,159mm F3.8)
カメラ:Nikon D7500 (HKIR改造)
フィルター:LPS-D1
撮影条件:ISO8,000 45秒 x 34枚
画像処理:DSS + SI8

NGC6888 三日月星雲2019年08月12日

8/4の遠征で撮影した、はくちょう座のど真ん中にある散光星雲 NGC6888 三日月星雲です。私には三日月というよりクラゲに見えます。でも、はくちょう座の中心なので白鳥の心臓なのかもしれませんね。

ちなみに、くらげ星雲というのは他にありまして、こちらは正真正銘クラゲの様に見えます。(^^)

M8、M20 もそうですが、NGC6888 も天の川の中にありますので、本当に星の数が半端なく多いです。先にご紹介したNGC7293 らせん状星雲は天の川の外にありますが、星の数を比べてみて下さい。同じ光学系で撮ったとは思えない。画像処理に慣れない私にはノイズなのか星なのか分からなくなります。(笑)
 
 
撮影日時:8/4 AM1:51 ~ 2:23
撮影場所:天城高原
望遠鏡:Ginji-300FN + コレクターPH (1,159mm F3.8)
カメラ:Nikon D7500 (HKIR改造)
フィルター:LPS-D1
撮影条件:ISO8,000 30秒 x 21枚
画像処理:DSS + SI8 ダークフレーム利用


M132019年08月13日

8/3の天城高原遠征で撮影したヘルクレス座のM13です。

視直径は満月の1/3程もある見事な球状星団です。

球状星団は年老いた星がお互いの重力で密集してボール型を形成しているのですが、このM13は、実に50万個もの星々から出来ています、しかも、直径は何と100光年!

ちなにみに太陽を除く恒星で全天一明るいシリウスは、地球から9光年です。

100光年・・・、というと、21個の1等星のうち、シリウス含め、半分以上が飲み込まれる程の大きさ。まさに ”巨大なボール” ですね。

何でこんなに密集したのか・・・、望遠鏡で見る度に、私はいつも不思議に思います。

このM13を含めた球状星団は、眼視観測でも非常に見ごたえのあるものが多いので、望遠鏡を覗いた事の無い方も是非一度、機会があれば暗い夜空で見て欲しいと思います。


 
写真:M13
撮影日時:8/4 AM1:20 ~ 1:36
撮影場所:天城高原
望遠鏡:Ginji-300FN + コレクターPH (1,159mm F3.8)
カメラ:Nikon D7500 (HKIR改造)
フィルター:LPS-D1
撮影条件:ISO8,000 45秒 x 19枚
画像処理:DSS + SI8 ダークフレーム利用


M42 ~ 馬頭星雲・燃える木2019年08月17日

ちょっと時間が経ってしまい、すっかり時季外れになってしまいましたが、昨年11月に撮影したオリオン大星雲~馬頭星雲・燃える木です。この辺りは本当ににぎやかですね。人工衛星もしょっちゅう通る場所なので難儀な場所でもありますが。(^^)


海王星の衛星トリトン2019年08月17日

昨年撮影した海王星とその衛星トリトンです。14等級でもこんなに写るんですね。




実は私、トリトンには並々ならない興味を持ってます。というのも、トリトンは太陽系の衛星の中で7番目に大きな衛星でありながら、海王星の自転と逆に公転する逆行衛星なのです。

地球の衛星である月は、地球の自転と一致している順行衛星です。しかも月の自転と公転の周期が一致しているため、月は常に地球に同じ面を向けています。(月の裏側は地球からは見えない)

順行衛星と逆行衛星。

大した違いではないとお考えかも知れませんが、実は大きな違いがあります。

順行衛星は徐々に惑星から遠ざかり、逆行衛星は惑星に近付いて行きます。順行衛星である月は、毎年3.8cmづつ地球から遠ざかっていると言われています。

逆にいうとトリトンはどんどん海王星に近付いている。

いつか巨大なトリトンは海王星に衝突するかも!?なのです。

土星や木星にも逆行衛星は沢山見つかっているのですが、トリトンはその中でも飛び抜けて大きく、こんな巨大な衛星がぶつかったらどうなるのだろう?と、興味津々なのです、私。どうなるんでしょうね?

勿論、それは数十億年後。私は見ることは出来ません。

でもそういうことを想像しながら観測出来ると楽しいですよね。明日、それが出来ると良いなぁと思います。

月がもし逆行衛星でいつか地球にぶつかるとしたら、皆さんどうしますか?(笑)



R200SS 土星2019年08月18日

8/17の夜に撮影した土星です。綺麗ですね。
土星は今まさに旬です!

是非、皆様自身の目で、望遠鏡で見て欲しいなぁと思います。感動すること間違いなしですよ。


望遠鏡:
R200SS+パワーメイトx5 (fl:5400mm F27相当)
カメラ:
ASI224MC+IR/UVカットフィルター
FPS (avg.)=12
Shutter=78.86ms
Gain=411 (68%)
Duration=180sec
画像処理: AS!3(40%)+Registax6+SI8

M46 NGC24382019年08月24日

2018年1月に撮影しました。散開星団M46とシャボン玉の愛称で呼ばれている惑星状星雲NGC2438のコラボです。