ミライ試乗2015年06月28日

燃料電池車のミライに試乗してきました。ミライというと、昨年末に発売された物の、年間製造台数が700台ということで、まだディーラーでもお目にかかれないツチノコ状態が続いていますが、今回、神奈川県庁が所有する燃料電池車を県民に試乗してもらおう、という企画があり、そこに参加させていただきました。

試乗車は、トヨタのミライとホンダのクラリティが準備されており、私はミライを選択。写真の車に乗ってきました。時間は30分、走行距離は10km程度だったと思います。

県庁のスマートエネルギー課の方に色々とご説明頂きました。トヨタの方かと思うほど詳しく色々と説明していただきました!

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ミライを見たのは東京モーターショウ以来。勿論ナンバーがついた物を見たのは初めてです。前から見たところ、結構かっこいいですよね。

Mirai-2

後ろがあまり好きではなかったのですが、この色だと悪くはないです。(^^)


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燃料電池車の頭脳部分で、パワーコントロールユニットです。その前に見えるのがコンプレッサー(燃料電池に酸素を送り届けるため)とのこと。
ぱっと見、普通の横置きエンジン車みたいですよね。結構部品がいっぱい詰まっていて、確認しがいがあります。上からは見えませんでしたが、この下に、モーターがあるそうです。

Mirai-4

燃料の水素は満タンでした。右下あたりに、344kmと表示がありますが、燃料補充までに走行可能な距離を示しています。エネルギー課の方曰く、走り方にもよりますが、表示されている距離よりはほぼ確実に長く走れるとのことです。ミライのカタログ上の航続距離は650kmですが、実燃費でも500km以上は走りますよ、とのことでした。

試乗した感想ですが、モーターですのでアクセルワークに対するレスポンスは俊敏で加速もGoodです。強めに踏み込むと、コンプレッサーが燃料電池に空気を送り込む音なんでしょうか、キュイーンという音が何とも新鮮で、FCVなんだなぁと感じました。

燃料の補給の際は、水素は約700気圧でボンベに蓄積されます。昇圧が起こると温度上昇を伴いますが、ある一定以上に温度が上昇しないよう、温度センサーの情報をお互いやり取りしながら水素の補給を行うとのことでした。つまり、冬より夏の方が、補給に時間がかかる、とのことでした。面白いですね。

神奈川県は興味本位で燃料電池車を購入した訳ではなく、その理由もちゃんとあるとのこと。川崎にあるコンビナートなどで、複製生物として沢山水素が出来るんだそうです。その使い道として燃料電池車に期待しているとのことでした。

なるほど・・・。

ついでに、日産が燃料電池車作っていると良いんですけどねぇ、

ともおっしゃってました。県のお金使って愛知県だけが儲かるのではいけないですから・・・、と。

確かに・・・。

でも燃料電池車には沢山の部品が使われているので、電気自動車と違ってやはり裾野が非常に広いんだそうです。つまり、車が売れると、多くの関連会社が潤うということで、そこには期待しているとのことでした。

10年前には1億円と言われた燃料電池車が、700万円まで下がったのですから、大変な企業努力だと思いますし、多くの特許を無償提供し、市場を形成しようとするたトヨタの姿勢にも共感できます。

来るべき水素社会が携帯電話のように”ガラパゴス化”しないよう、世界標準化され、多くの日本企業にメリットのある形になると良いですね。

ちなみにランニングコストですが、現在の水素の価格は1kg= 1,000円。
ミライでは、満タンで、7.5kg程度の水素を充填可能です。つまり、満タンで、7,500円。

これを航続距離(実燃費ではありませんが・・・)で換算すると、12円 / km くらいとなります。これは、ガソリンの値段を140円/リットルとした場合、燃費12km/リットルくらいの車と大体同じくらいということになります。

初っぱなとしてはまずまず、ですね。

水素ステーションがまだまだ少ないですし、建設費用は通常のガソリンスタンドの数倍など、課題も多いのですが、化石燃料への依存から少しでも脱却できる将来性豊かな仕組みで、私もすごく期待しています。

このミライ、欲しいですが、今はんこを押しても、納車は3年後のようです・・・。
ちょっと考えさせられますね。(^^)

今回はとても良い体験をさせていただきました!
神奈川県庁、スマートエネルギー課の皆様、ご対応ありがとうございました!!