CP+ 2023 VSD90SS2023年02月25日

CP+2023行ってきました。コロナ禍でここ数年オンライン開催でしたが、久々の In Person での開催、とても楽しかったです。やっぱり、物は実際に触ってみると全然得られる印象が違います。

気になった製品を下記します。

VSD90SS
今回の参加の目的は何といってもVixenのVSD90SSが見たい!ということでした。凄く楽しみに、ブース訪問。実際にこの製品の全体設計を担当された、Vixenの加島様に色々とお話を伺うことが出来ました。


VSD90SSのスペックは、90㎜の f=495mm F5.5です。昨年のCP+2022では、VSD90F5.5というプロトタイプで登場していました。今年は、綺麗に塗装されて出品。このまま販売出来るなぁと思っていたら、Vixenの最新カタログにも既に掲載されていました!

この製品に注目している理由の一つは、こちらに掲載されているスポットシミュレーションで見る非常に高い結像性能。眼視性能も凄く高そう。周辺減光も凄く少なくなっています。

展示でもカメラではなく、接眼レンズ付けてますよね。眼視性能も高いですよ、というアピールだそうです。ちなみに、VSD100F3.8の時には、Pentax 6x7 を付けて展示していたそうです。あちらはフラットフィールドの広さがアピールポイントでしたからね。展示にも製品コンセプトが反映されているんですね、なるほどなと思いました。

VSD90SS、実際に触ってみた感想ですが、感心したのは何といっても接眼部です。太くてとてもスムーズ、ガタも無く頑強だなと感じました。数多いVixenの望遠鏡、光学性能の高いモデルも多いのですが、ただ、撮影を考えると接眼部が華奢なモデルが多いんですよね・・・。私が愛用しているR200SSも、光学性能は申し分ないのですが、もう少し接眼部がしっかりしていると良いなぁ、と思うことも良くあります。

それに引き換え、このVSD90SSの接眼部は凄く良さそう、実際に触ってみるとお金をかけて良いものを設計・採用していることがうかがえます。カタログを見ると、84㎜のピッチ1㎜となっているので、一番太い部分は84㎜以上あるということなのだと思います。この接眼部凄く良さそうです。カタログではその点あまりアピールされていないんですが。(笑)


また、ドローチューブの固定に関しても、直接ビスで押さえるタイプではなくラックアンドピニオンをロックする形が採用されています。上の写真にレバーがありますよね、これを回転させることにより、ストッパーがかかり、ドローチューブがロックされます。ドローチューブを押さえるタイプではどうしても視野が動いてしまう・・・、これって光軸もずれるんだよね?と良く思ってましたが、このタイプはその心配はありません。私が知るところでは、同じようなタイプは、タカハシのFSQやTOAで採用されていて、評判の良い物と理解しています。

VSDというと、前モデルであるVSD100F3.8では、ヘリコイドタイプでした。

加島さんのお話では、ヘリコイドを辞めた理由の一つは、重いカメラを接続した時のヘリコイドの渋さ、とのことでした。私もBorgでヘリコイドを使ってますが、重いカメラなど取り付けるとヘリコイドの動きが悪くなります。VSDってそのあたり良く出来ているのかと思いましたが、やはりそういった指摘はあったそうです。

また、この接眼部、ZWOのEAFにも対応している(特別なパーツ無しで取り付けができる)とのことでした。標準では減速装置が付いていないのですが、最近ではEAFを付ける方が多いので、撮影ならEAF、眼視なら減速装置をユーザーの好みで付けてもらえるよう、敢えて最初から減速装置は付けなかったそうです。

EAFは撮影時は良いのですが、取り付けると手動操作が出来なくなるので減速装置は使えなくなります。今回、VSD90SSを初め見た時には私も、

『あれ、高価な鏡筒なのに減速装置付いてないのか』

とちょっとガッカリしたのですが、ただ、この鏡筒、撮影目的で購入される方が多いのではと思います。そういった意味でEAFに対応しつつ、眼視利用が主となる減速装置はオプション構成とし、その分他にお金をかける、というのは良い選択だと思います。

ちなみに、上の二つの写真にも写っていますが、接眼部に見られる複数の6角の調整ビス、これ何ですか?と伺ったところ、ドローチューブの受け側を調整するためのビスだそうです。調整には専用の機器が必要とのことで、ユーザー側で扱うと元に戻すのは難しいと思いますとのことでした。こういった優れた光学機器にありがちな調整パーツ、取り扱いは要注意ですね。

重さは4.3㎏。軽くて良いです。

また、写真だと良くわからないと思いますが、フードは取り外すことが出来て、逆さまにかぶせるとかなり短く収納出来ます。カバーはフードではなく、レンズそのものに取り付けます。カメラレンズで採用されているフードの仕組みと同じです。(すみません、写真撮ってきたら良かったですね)


鏡筒バンドも良さそうです。実際の製品では抜いている部分の形が変更なる(具体的には四角抜きになる)とのことです。アリガタはついていません。私の所有するAXDもそうなのですが、デフォルトではアリ溝はついていません。これに対応するためとのことですが、ボルト留めになるので他の望遠鏡との組み換えを考えるとアリガタを別途下に取り付けた方がやはり便利かなと思いました。写真で撮るのを忘れましたが、上部には1/4ネジ穴も複数ありますので、カメラ雲台を付けることも出来ます。色んなパーツをねじ止めすることが出来そうで、凄く便利そうに思います。

気になる価格は682,000円、発売は秋以降とのことでした。

製品としては出来上がっていそうなのにどうしてですか?とお伺いしたところ、レンズの材料が非常に品薄で手に入らないそうです。

前製品は10㎝、今回、9㎝で製品化した理由もうかがってみましたが、その1つは価格だそうです。多くの方に使っていただくには、価格をある程度抑える必要がある。で、今、10㎝で作ると80万円はこえてしまう、というところから、前回のVSD100F3.8と同様の価格で作ること前提で、9㎝としたとのことです。

勿論価格面以外でも、光学性能や焦点距離などもあるのでしょうが、良い判断だと思います。

また、レデューサーは、VSD100F3.8と同じものが対応するとのことでした。0.79倍なので、391㎜、F4.3ということになりますね。カタログにも対応品として掲載されています。

光学設計は他の方が実施されたとのことでしたが、自信作で、早く市場に出て欲しいと願っているとの事。

確かに凄く良い製品だと思いました。秋までにお金貯めておかないと・・・。(笑)

すみません、長くなってしまったので他の製品に関してはまた後程。。。

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