電子観望のススメ2020年10月10日

今日は台風で雨。電子観望について書いてみたいと思います。

電子観望。簡単に言うと、望遠鏡を目で覗くのではなく、カメラで撮影し、その映像を見て楽しむ方法です。最近は海外のメーカーからそれ専用に設計された製品も登場してきました。

電子観望が登場したのは私の記憶では5年前の2015年くらいでしょうか。出てきた当初私はかなり懐疑的でした。

『望遠鏡は目で覗くもの』

という意識が強かったためです。星のソムリエとして観望会などにスタッフとして参加する際も、やっぱり、望遠鏡は目で覗いて欲しい。電子デバイスで見る『映像』ならわざわざ観望会に参加いただく必要はないのでは?

そういう意識が強くありました。

ただ、最近その考えは今、自分の中では大きく変わってきました。以下の影響が大きいと思います。

・ASI224MCや462MCで惑星撮影するようになった
・ライブスタックなど画像処理技術の飛躍的進歩
・デュアルナローバンドフィルターの登場
・実際やってみると腰を抜かすほど凄い

超高感度、低ノイズのCMOSとデジタルの画像処理技術の飛躍的進歩でアマチュアレベルの望遠鏡でも物凄い惑星写真が撮れるようになりました。

さらに、最近登場したOIIIとHαを選択的に通す、カラーCMOS用のデュアルナローバンドフィルター。IDASのNB1やQBPなどが有名ですが、これがまた凄い。

OIIIとHαで輝く惑星状星雲に使うと光害のある環境でもはっきりその模様まで見ることができます。夜空の暗いところに遠征して眼視する遥かに良く見える。。。

こんな凄いものを使わない手はない!!

でも、観望会で電子観望を提案すると、まだまだ否定的な意見が出てきます。

よくよく観察していると、否定的な意見を出す方は多くが古くからの天文ファンで、最近のデバイスには疎い方(良さが良くわかってない方)が多い気がします。観望会をたくさんやってきた立派な方も多いのですけどね。

ま、勿論そういった旧来の観望会を否定するものではありませんが、良いものであれば自分自身がしっかりキャッチアップして、どんどん取り入れて提案・実施していく必要があると思います。

今はコロナでなかなか観望会も思うように実施できません。

そういった中、望遠鏡を覗かず自身のスマホで見ることが出来たりすると感染防止にもなりますしね。勿論、ご自身で楽しむにも凄く良いものだと思ってます。

↓これ、光害バリバリの自宅からのNGC2392のライブの画面なんですよ。



すごいと思いませんか?

NGC2392は空の暗い条件の良い場所で何度も眼視していますが、こんなにはっきり模様が見えたことはありません。私が自宅で試してみて、初めてこの映像を見た時には本当に衝撃を受けました。

今はこんな事が出来るんです。楽しまない手はないですよね。

ということで、これから何回かに分けで、電子観望の魅力とその方法について書いていきたいと思います。

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