高ソメキャンプ場 ― 2022年05月05日
5/2-4で高ソメキャンプ場に行ってきました。コロナ前は毎年GW付近の新月期に訪れていたのですが、3年ぶりとなります。今年はGWと新月期が重なりましたので、嫁と愛犬を連れて行ってきました。(^^)
池の北側から望む管理棟と天の川
カメラ:Z7
レンズ:NIKKOR Z 14-24mm f/2.8S
露出:15秒
ISO:6400
固定撮影
2日は残念ながら夕方から小雨。夜中には晴れたのですが、ビールを飲んで熟睡。(笑)
3日の夜は快晴で星見を楽しみました。
最初は久しぶりにR200SSで眼視を楽しみました。
NAV-17HWで見るM13は凄かった。その後、M104、M106、M51、M81/82、M65/66/NGC3268、NGC2903、NGC4565などの春の銀河や、惑星状星雲、M27、M57を楽しみました。
M51は眼視での観望慣れしてきたからか、うっすらと渦も確認できました。
透明度も良かったのではないかと思います。ま、嫁は 『良く見えない』と言っていましたが。(笑)
ところで、この日は、初めてASI Air Pro のライブスタックでの電子観望も楽しみました。将来的な観望会での電子観望の利用も含めてテスト的に。
これ、凄いですね。まだ画像処理は行っていないのですが、とりあえず、ASI Airが出力したスタック画像をいくつか貼っておきます。
R200SS + ASI 2900MM(モノクロ) + ASI Air 露出30秒×20枚程度のライブスタックです。
M104ソンブレロ銀河
まずこれをスマホのライブ画面で見た時には驚きました。
M65銀河
M66銀河
NGC3268銀河(人工衛星が横切っちゃいましたw)
M51子持ち銀河
各写真のローデータの処理はこれからですが、これに近い画像が、スマホにすぐに出てきたときには驚きました。
星空の楽しみ方も本当に色々ですね。私もさらにキャッチアップしたいと思います。
ASI Air ライブスタック ― 2022年05月06日
高ソメキャンプ場で楽しんだASI Air のライブスタックの結果を画像処理してみました。と言っても既にスタックしてありますし、今回はモノクロなのでそんなに大したことはやっていないのですが。(^^)
こんな感じです。
望遠鏡:R200SS
カメラ:ASI 2900MM(モノクロ)
Gain:150
露出:30秒
20枚程度を ASI Air でライブスタックしています。画像処理はステライメージ9です。
オートガイドも無し、お手軽に現地で電子観望を楽しんだ後の写真としては満足です。
良い時代になりましたね。
今回は高ソメキャンプ場という空の暗い場所でしたが、IR850フィルターなどを使えば光害バリバリの我が家からでも同じような銀河の映像が楽しめる・・・、かも。(^^)
こちらはそのうち試してみたいと思います。
高ソメキャンプ場 その2 ― 2022年05月07日
R200SS 再度購入 ― 2022年05月14日
20年使ったR200SS。まだまだ現役なのですが、遠征遠征でボロボロになってきましたので、ビクセンの価格改訂前に購入しました。
上が新品。色もちょっと異なるような。ちょっとアイボリー系でしょうか。色褪せただけでしょうかね。(笑)
R200SSは見て良し撮って良し、口径の割に軽くて取り回しは良いし、光学系は極めてシャープ。本当に良い望遠鏡です。私が5本持っている望遠鏡の中で圧倒的に高い稼働率を誇ります。30㎝のニュートンも持ってますが、デカすぎてベランダでは使えません。(笑)
ちなみに、同じ20㎝でも、ビクセンのイベントで良くVC200Lを使って星空案内やってますが、眼視性能は正直良くない。
『VC200Lって中央のシャープさが足りないなぁ。眼視ならR200SSの方が断然シャープだな』
と良く思います。ま、子供から大人までいる観望会では、ニュートンより覗きやすいVC200Lの方が使いやすいのですが、VC200Lってやっぱり撮影用の望遠鏡なんですよねきっと。
これからもこの望遠鏡、大事に使っていきたいと思います。
VSD90F5.5 ― 2022年05月16日
コロナ前には毎年参加していたCP+。コロナ後はオンライン開催だったので今年もすっかりキャッチアップが出来ていませんでしたが、参考出品ながらビクセンから魅力的な製品が紹介されてますね。これかなり良さそうです。
VSDというと以前、VSD100F3.8という野心的な製品がありましたが、販売終息しました。打倒FSQ106EDということで広大なフラットフィールドを引っ提げて登場した...んですよね、多分。ただ、恐らく価格面とスポットダイヤグラムで見る像の甘さが個人的には気になっていました。写真だと良いのかもしれませんが、
『星像はもうちょっとキュッと締まって欲しいなぁ』
と。
今回のVSD90F5.5はその辺を意識して開発されたんでしょうか、同じ5群のレンズ構成ですが、9㎝、F5.5と控え目。その結果という事なんでしょうけれど、スポットシミュレーションを見る限りかなり期待できそうです。
また、VSD の大きな特徴であったヘリコイドをやめる事で後群のレンズを大口径化し豊富な周辺光量を実現しているとの事。豊富な周辺光量に関しては、FL55SSやレデューサーなど、最近開発されたビクセンの屈折望遠鏡や補正レンズに共通する開発ポリシーの様に思います。
多分、ビクセン社員の方がフラット処理をやりたくないのかも。(笑)
でもユーザーにとって凄くありがたい設計だと思います。
眼視性能もかなり高そうで凄く魅力的に感じます。
後はレデューサーでしょうか。恐らく登場するものと思ってますが、x0.72で、F4程度まで明るくなれば個人的には食指が動きそうです。VSD100F3.8よりは安いでしょうし。
今、350㎜クラスの屈折が欲しくて、FSQ...良いなぁ、と思ってましたがちょっと待ちたいと思います。選択肢が増える事は良いことですね。
ビクセンに期待です!!
ハーモニックドライブ赤道儀 CRUX 170HD ― 2022年05月29日
最近すごく気になっていたハーモニックドライブ赤道儀、ショップのご厚意でお借りすることが出来ました。CRUX 170HDです。ハーモニックドライブって今までのウォームギアの赤道儀と違って、以下の特徴があります。この辺りの記事をご確認ください。
利点
・本体重量からは考えられない積載可能重量を有する
・ウェイトの無い構成も可能*
(最大積載重量は少なくなります)
・バックラッシュが無い
・応答性が良い
オートガイダーへの反応が非常に速い
*赤道儀ごとにウェイト無しの時の最大積載量と、ウェイト追加時の最大積載量が記載されています。
注意点
・非常に高価
・ピリオディックエラーが大きい
(PECで補正可能)
・クランプが無い
・電源Offにすると保持力が落ちる
(バランスが悪いと赤道儀が動いてしまう)
軽くて、重いものを載せられるところが凄く魅力的ですよね。AXD持っているのですが、重い・・・。(笑)皆既日食観測で海外に持っていく時にも重宝しそうです。
今回、天文台用途で利用できるかどうかを確認するためお借りしました。実際に購入を検討しているものはもう少し大型のものなのですが、まずは、ハーモニックドライブ赤道儀ってどんな感じなのか、というところを確認していきたいと思っています。
ちなみに、今回お借りしたCRUX 170HDは以下のような感じです。詳細はこちら。
・本体:4.9Kg
・最大積載量:10Kg(ウェイト無し)
24Kg(3.7kgのカウンターウェイト利用時)
・ピリオディックエラー±8秒角(PEC補正の場合)
本体重量はビクセンのGP2並みで、最大積載量は、AXJ並みです。しかも10kg までであればウェイトレスでも行けるとのこと。
一昨日お借りし、テストを始めたばかり(しかも昼間)なので、まだまだよくわからないところもありますが、まずはテスト第一弾です。
ちなみに、CRUXは天文台への導入を考えているので確認したかった点は以下の通りです。
・電源Off時に本当に赤道儀が動いてしまうのかどうか?(最大積載量以内であれば問題ないというWebの記事もありますが)
・ステラショットや ASI Air Pro と接続して使えるか?
・その他、細かいセーフティ機能(子午線越えへの対応)やアライメント取得方法などの使い勝手
などです。
まずは、気になっていた電源Off時の赤道儀の動きを確認したくて、ε-160ED(本体7kg+バンドなど2kg=9kg)をウェイトレスで取り付けてみました。
ウェイト無しで10kgなので、ε-160EDの口径を考えるとちょっと厳しいかもと思いましたが。(^^)
この写真は、電源Onの状態で鏡筒を取り付け、バランスが厳しそうな状態まで動かし、(恐る恐る)電源Offした時に撮影したものです。
結果、赤道儀が動き出すこともなく、止まったまままでした。ちなみに、付属したマニュアルには、電源Off時に望遠鏡が動くようであれば、動かないようにカウンターウェイトを追加ください、と記載されていました。電源Offにしたのは数分でしたので、長時間になると違った結果もあるのかもしれませんが、そんなに心配することはなさそうです。
動作に関しては凄くスムーズ。上記構成で、ウェイトレスでも全く問題ありません。
また動作音の少なさに驚きました。非常に静かです。恒星時で追尾している時は、少なくとも私には全く音が聞こえません。昼間のテストなので、
『止まってんじゃないの?』
と疑って、10分程放置したほどです。高速導入時も、他の赤道儀に比べてもかなり静かだと思います。
ということで、第一弾でした。
ハーモニックドライブ赤道儀 CRUX 170HD その2 ― 2022年05月30日
昨日の続きです。お借りしているハーモニックドライブ赤道儀、CRUX 170HDの基本的な動きが分かってきましたので書いてみたいと思います。CRUX 170HD は、TiTaN TCS というコントローラーで操作します。操作ボタンは iPod の様な感じと言えばよいのでしょうか、凄くシンプル。
・中央・・・決定ボタン
・回転入力・・・メニューを高速に移動
・外側・・・赤道儀のRA/DECを操作
という感じです。戻るボタンが無いので最初は戸惑いましたが、回転入力が良く出来ているので慣れれば問題ありません。
電源は一般の赤道儀同様12V。
TiTaN TCS経由、RA/DECのコードで赤道儀に供給されます。つまり、信号と電源供給がRA/DECそれぞれ1本ずつで供給される形です。
赤道儀の使い勝手を決めると言っても良いこの黒いBox、『TiTaN TCS』 ですが、結構色々な機能が搭載されています。
・ホームポジションは真東、真西、南などから選択できます。
VixenのSB10の場合、ホームポジションは真西ですが、TiTaNの場合選択可能です。選択可能、というとことは逆に言うと、電源を入れた後、ホームポジションでまず、Sync(アライメントですね)処理を行う必要があります。
最初これが理解できてなくて、望遠鏡が下向いたり、全然違う方向向いたり。(笑)
ホームポジションをきちんとシンクしていないのが原因でした。動作を理解してからは想定通り動くようになりました。
・安全機能として以下が搭載されています。
Meridian Stop・・・子午線越えの自動停止
Meridian Limit・・・子午線越えをどこまで許すか
Go Below Horz・・・地平線以下の導入を許すか
※他にもいろいろありますが、とりあえずイナバウアーと、鏡筒下向きの防止関連
・Bluetooth or Wifiどちらかを選択利用可能(ファームウェア書き込み時に選択)
ファームウェアとASCOM Driver はこちらからダウンロードできます。Bluetooth or Wifi は、ファームウェアを書き込む際にラジオボタンで選択する感じです。
https://www.hobym.net/firmware
現時点で Firmware、ASCOMドライバー共、最新バージョンは、3.4.4です。実はお借りした時点でファームウェアが結構古く(3.2.2でした)、ASCOM経由で操作した際に動作に不安定さを感じたため、最新版にUpdateさせていただきました。Updateしたところ、不安定さは解消しました。
選択可能な無線ですが、私はWifiを選択しました。ステーションモードと、APモード、両方とも可能です。例えば、TiTaN TCSを自宅に設置したWifi親機に接続し、ステラショットとLAN経由で通信したい時には、ステーションモードで接続すればOK。ASI Air Proと接続するときも、ステーションモードで接続できます。逆に、APモードで立ち上げれば、PCを無線子機としてWifi 親機のTiTaN TCSに接続できます。便利ですね。
有線の場合は、RS232C接続となります。ま、最近だとRS232C to USB 変換ケーブル使ってPCやASI Air Pro にUSB接続ですね。
(5/31Update)
マニュアルによると、USB-A to USB-A の有線接続でもコントロールできるようです。こちらは試していないので分かりません。
(Updateここまで)
※古いFirmware はASCOM経由での少し安定性に欠けていた(微動操作をASCOM経由で繰り返すと赤道儀が暴走するような動きを何度か経験しました)気もしますが、最新バージョンは今のところ問題なく動いています。
(5/31Update)
ファームウェアとASCOMドライバーのバージョンは同じものを使う必要があるとマニュアルに記載がありました。不安定な動作はバージョンの不一致と思われます。Update後はファームウェア、ASCOMドライバーとも3.4.4となっています。
(Updateここまで)
ASI Air Proでは直接、『HBOYM crux Series』 が選択可能です。ボーレートのデフォルト値は、115,200bps(変更も可能)です。ASI Air Pro のデフォルト設定は 9,600ですので変更すれば繋がります。
接続は、シリアルだけではなく、LAN も指定可能です。TiTaN TCS側でWifi選択した場合は、LAN接続を選んで TiTaN TCS のIPを指定すれば接続できる・・・はずです。(ごめんなさい試してませんw)
ASI Air ProをCRUX 170HD に接続し、ベガ → デネブを導入した時の動きはこんな感じです。
ベガに望遠鏡が向いている状態です。
ターゲットで、デネブを選択
デネブに向かって赤道儀(青丸)が動いてます。
さらに動いて・・・
デネブに向きました。
その後、微動操作でデネブを中央に合わせて、Alineすれば完了
勿論、ASI Air Pro の超便利機能、プレートソルビングを使えば自動でターゲットを中央導入→アライメントが完了する・・・、はずです。
ごめんなさい、上記は昼間に動作シミュレートしたものなので、カメラも接続していませんし、勿論星も見えてませんので、そこまでは試せてません。
そのあたりの使い勝手はまた次回!
TiTaN TCS ― 2022年05月31日
CRUX 170HD をコントロールする、TiTaN TCS のインターフェースについて備忘録兼ねて書いておきます。(^^)
この写真は、コントローラー上部を逆さまから見ています。
左から
・電源スイッチ
・望遠鏡接続用 D-sub15ピンメスコネクター
・ボリューム(RA/DECのスピードコントロール、パーキングモード)
真ん中やや右側にある輪っかはコントローラーをぶら下げるため?の金属フックです。今回お借りしたコントローラーはそこに結束バンドが取り付けてありました。
望遠鏡の速度コントロールは、例えばSynScanのハンドコントローラーだと、速度変更ボタン押して、速度ボタン押して、などいちいちボタン見ながら変更しなければなりませんが、こういったボリュームタイプだと望遠鏡覗きながら好みの速度に変更できるので思いのほか便利です。
下の写真はコントローラーを裏返しにして下部から見たもの。
こちらも左から
・カメラコントロール(レリーズ用)
・USB-Aコネクタ
・RS232C x 2(A/B 2系統)
・オートガイダー
右側の赤く見える部分はオートガイダーのガイド状況を示すLEDとの事
・電源ポート DC12V
USBコネクターは、電源供給用かな?と思ってましたが、マニュアル見ると、USB to USBでPCに接続して、ASCOM制御ができるようです。
私はこういう機器を見ると反射的にRS232Cを使ってしまうので、今回もご多分に漏れずRS232Cで接続、テストしましたが、USBで出来るのならそちらの方が楽かもしれませんね。(笑)
電源は12V/4A 推奨となっていますが、恒星追尾の際の消費電流は、0.25~0.6Aとのこと。かなり少ないのではないでしょうか。
望遠鏡やPC/ASI Air Pro との接続にはこんなケーブルを使います。
真ん中がTiTaN TCSコントローラー、右側がD-sub15に接続した望遠鏡接続用のケーブルです。RA/DECの二本が出ていて、これをCRUX 17HDのそれぞれ赤経、赤緯モーターに接続します。電源供給と信号が一本のケーブルで提供されています。
左側がRS232Cケーブルです。ASI Air Proとの接続はこんな感じです。
RS232C to USB 変換ケーブル経由でASI Air Pro に接続しています。変換ケーブルによっては、ASI Air Pro から認識できないものもありそうなので、追加Driver なしでLinuxで動作可能なものを選んだ方が良いかもしれません。有線接続に関しては、まだ試してないですが上記の通り、USB to USBでも接続できるかも知れません。
操作感ですが、TiTaN TCS側で微動操作すると、ASI Air Pro 側で認識せず、位置が変わらない(表示上の問題だけで動作上支障はありません)のが少し残念ですが、接続後の動作は良好です。ちなみに、ステラショット2にTiTaN TCS のASCOM Driver経由で接続した際は、TiTaN TCS の微動操作がリアルタイムでステラショットの画面にUpdateされました。
ASI Air Pro の接続はASCOMではないのでその違いなのでしょうかね。ま、ASI Air Pro での操作も基本的には快適です。
そうそう、あと、マニュアルに以下記載がありました。
『TiTaN TCS の ASCOM Driver と、ファームウェアのバージョンは同じものを利用しなければなりません』
知りませんでした。
ステラショット2からASCOM経由で色々操作した時に、CRUX 17HD が暴走する動作がしばしば見られたのですが、ファームウェアのみアップデートしてしまったためと思われます。原因が私のミスオペレーションだと分かってすっきりしました。
TiTaN TCS 小さな中に機能が詰め込まれた、良く出来たコントローラーだと思います。
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