金星と月のランデブー ― 2017年01月02日
M65 M66 NGC3628 ― 2017年01月02日
M1 ― 2017年01月02日
2016年12月29日の朝霧高原で観測第二弾は、おうし座の角の先にある惑星状星雲、M1です。前回より色彩豊かに写りました。
撮影機材:R200SS + コレクターPH 直焦点
カメラ:Canon EOS Kiss X6i IR改造
感度:ISO 1600
露出:2分
M81 M82 ― 2017年01月02日
M51 ― 2017年01月02日
馬頭星雲 ― 2017年01月02日
モンキーフェイス星雲 ― 2017年01月02日
QHY5-IIM+ミニガイドスコープ+ステラショット導入! ― 2017年01月05日
ひと月ほど前に新しいオートガイダーを購入しました、QHY5-IIM+ミニガイドスコープ+ステラショットです。以前はセレストロンのNexGuide+Borg77EDIIを使っていましたが、以下のような問題があり、大変苦労していました。
・ガイドに利用できる星は6等星くらいまででガイド星を探すのが大変
・天頂付近の撮影の場合、NexGuideの画面を見ながらの操作が辛い
・ガイド鏡の固定が良くないと星が流れる(天頂付近は良いが低空は駄目)
つまり、オートガイダーの意味無し・・・
・撮影対象を変えるたびにキャリブレーションが必要
などなど
上記もあり、実質ほとんどまともなガイドが出来ずにいました。
もともとPCレス(電源や机などの準備が不用)に惹かれてNexGuideを導入したのですが、よくよく考えると今時、USB充電の出来るWindowsタブレットもあります。ということで、PCレスにこだわる必要は無い!と思い直し、思い切って導入してみました。
導入した機器は以下の通りです。
オートガイダー:QHY5-IIM
ガイド鏡:ミニガイドスコープ(QHY5-IIシリーズ用)
焦点距離 130mm、F4.3
ソフトウェア:ステラショット1.5b
PC:DG-D10IW3S (ドスパラのATOM Windows10 タブレットです)
ガイド鏡の写真です。非常にコンパクトで、さらに望遠鏡との固定部分がビクセンのファインダー用のアリミゾ互換となっています。つまり、R200SSに付属のファインダーと入れ替えでこれを付ければガイド鏡になる・・・、何て簡単な設置法!!今までの苦労(マルチプレート設置、ガイド鏡設置、ガイド鏡とR200SSの光軸合わせ、ガイド鏡含めたバランス調整 ...etc)が嘘みたいです。

購入当初、R200SS(800mm)のガイドが本当にこんな130mm程度で出来るのか??と、半信半疑でした。しかしそのような心配は無用でした。
先日朝霧高原で試してみたのが、このあたりの写真です。全ての写真でガイドミスは全く感じられませんでした。以下使ってみての感想です。
・コンパクトで設置が極めて簡単(ファインダーと入れ替えるのみ)
・CCDの感度が非常に高いのでどこに向けてもガイド星が簡単に見つかる
ガイド鏡の向きの修正は不要
・ステラショットは最高に使い勝手がよい
・望遠鏡、カメラ、オートガイダーを1つのソフトでコントロール出来る
・キャリブレーションは基本的に最初の1度だけで良い
撮影対象ごとにやる必要はない
・導入誤差を写真とのマッチングから自動修正する機能が秀逸
・赤道儀の追尾誤差とオートガイダーの作動に対する視認性が極めて良い
写真に影響を与える誤差とオートガイダーによる修正がリアルタイムに分かる
※赤道儀はAXDです。
などなど非常に使いやすいシステムです。それなりに高価ではありますが、私は今まで苦労してきただけに、価格以上の価値を感じました。もっと早く買っておけば良かったです。(^^)
また、夜明け間際にテスト的に撮影した、R200SSにバローを付けた2,000mm程度のガイドにおいても、ガイドミスは見当たりませんでした。聞くところによると、オートガイダーにもよりますが、ガイド鏡の20倍程度の焦点距離のガイドも可能なケースもあるとのことです。130mmですので、2600mmまでいけるんでしょうかね。このあたりにもそれを伺わせる記述があります。今回使った感触では十分いけそうな気がしています。凄いですね。
良い相棒を手にすることが出来ました。
残るは、腕か・・・。こちらは徐々に。(^^)
ステラショットとスターブックテン ― 2017年01月06日
ステラショット+スターブックテン(以下SBT)、凄く便利なのですが最初の利用で、”あれっ?”と思った点がありましたので下記します。アライメントについてです。通常単独でSBTを使用する際には、ホームポジションから、いくつかの星を導入し、アライメントを行うと思います。
いつものこの感じで、このアライメント終了後、ステラショットに接続すると・・・、何とアライメント情報がSBTから削除されていたのです!!ステラショット接続直後に導入精度が極端に落ちたのですぐに気付いたのですが、ちょっととまどいました。
ステラショットには、写真を撮ってデータを照合し、導入誤差を修正する(導入した星を真ん中に導く)機能もあり非常に便利なのですが、アライメント前の赤道儀の状態など、あまりに目的の星とずれていると修正できない様でどうしたら良いのかと。
マニュアルを見てみたのですが記述がないようですのでテストしてみました。
ステラショットとSBTを使う場合は、以下の手順で行うと良い様です。
一言で言いますと、ステラショットの「導入」タブにある、「同期」ボタンが、SBTでの「アライメント」と同義です。SBTに慣れた方ならこれだけで理解できる気もしますが、念のため手順を下記します。(^^)
なお、今回テストを行ったのは、SBT Firmware 4.2 ステラショット 1.5bです。
1. 赤道儀をホームポジションに設定し電源を入れSBTでスコープモードまで進める
(いつもの通りです)
2. ステラショットの「接続」ボタンを押し、ステラショットとSBTを接続する
3. ステラショットの「導入」タブで「天体検索」を行いアライメント対象の星を見つける
4. ステラショットで「導入」ボタンを押して対象の星を導入する
5. ステラショットの「微動」 の場所にある上下左右の矢印を押して、天体を真ん中に導入する
6. 真ん中に導入されたことを確認し、「同期」ボタンを押す
6を実施すると、SBTにもアライメント情報として記録されます。「同期」操作は、まさにアライメント操作ですね。通常のアライメント同様、3~6を繰り返すと導入精度が上がります。
ある程度導入精度が上がれば、ステラショットが自動で実施してくれる「導入補正」が使えるようになりますので、5、6の作業が自動化できます。
ステラショットとスターブックテン、とても便利です。CanonとNikon以外のカメラ(最近流行のZWOなど)にも対応してくれると最高なのですが、ま、それは今後の期待として楽しみに待つことにします。
ステラショットには体験版もありますので、気になる方は是非使ってみてください。
金星の満ち欠け ― 2017年01月21日
これまでは天体写真や器材に関する内容が多かったのですが、「星空案内人」の資格取得したこともあり、サイエンスコミュニケーターとして、今後、星に関するコラムを書いていこうと考えています。
第一回目は、見頃を迎えている「金星」をテーマにしたいと思います。
今日は2017年1月21日。ここ最近、日没直後西の空にひときわ明るく輝く星が見えます。それが金星です。金星は、夜明け前の東の空や日没後の西の空にその明るい姿が見えることから、明けの明星、宵の明星などと呼ばれています。あまりに明るいため、UFOと間違われたりすることもしばしば。(^^)
明るさは地球との位置関係により変化するのですが、現在-4.5等星です。
マイナス?と思われる方もおられるかも知れません。1等星より2.5倍明るいのが0等星。そして、0等星よりさらに2.5倍明るい(一等星よりは2.5x2.5=6.25倍明るい)のが-1等星です。現在、金星は-4.5等星なので、1等星より150倍も明るい!ということになります。UFOに間違われるのも無理もないかも知れませんね。
そう言う私も、そこに金星があることを分かっていながら、あれは飛行機だよね、と思ってしまうことがあります、飛行機にしては全然動かないなぁ・・・、なんて。(笑)そう見違えてしまうほど明るい天体、それが金星です。
その金星、以下のような特徴があります。
・月と同じように満ち欠けする
・真夜中に見ることが出来ない
これは、地球より太陽に近いところを公転している惑星(内惑星と言います)の特徴です。金星の他には水星が同じような特徴を持ちます。
地球から見たとき、内惑星はある一定角度以上太陽から離れることが出来ません。つまり、地球から見ると、いつも太陽のそばにいる、と言えます。太陽-地球-金星という順序はあり得ないということですね。ま、水金地火木土天海という並びからすると当然なのですが。(^^)
※上の図は、太陽及び、金星と地球の公転を模式的に示した物です。縮尺は正しくありません。また、太陽と金星、地球の位置関係を示す物ですので、地球の位置は固定して、金星のみ動かしてみました。その点はご了承下さい。
地球から見たときの金星はいつも太陽のそばにいるのですが、その中でも一番太陽から離れる点があります。その位置を西方最大離角、東方最大離角と言います。夕方西の空に出ていて、東方向に一番離れている時が東方最大離角です。
金星は望遠鏡を使えば昼間でも見ることが出来ますが、観望は基本的に暗くなってからですよね。そうすると、太陽から離れている最大離角の頃が一番観測時間が長く、見易いと言うことになります。
最大離角以外のポイントとしては、地球と太陽の間に金星が入る(上下にずれるため一直線に並ぶわけではありません)ポイントを内合、その逆で、太陽の反対側にある時を外合と言います。
内合付近、外合付近、最大離角付近での金星の見え方は以下の通りです。
内合付近
・地球~金星の距離が近いので金星は大きく見える
・太陽の光が当たらない陰の部分が多く見えるので、大きく欠けた形(三日月のような形)に見える
・太陽と同じ方向に見えるので、日の出直前か日没直後の短い間しか見えない。
外合付近
・地球~金星の距離が遠いので金星は小さく見える
・太陽の光を正面から受けるので、ほぼ円形(満月状)に見える
・太陽と同じ方向に見えるので、日の出直前か日没直後の短い間しか見えない
最大離角付近
・西方最大離角付近では日の出前、東方最大離角付近では日没後、長く見ることが出来る
・形は半月に近い形で見える
今は東方最大離角を過ぎ、内合に向かっているところです。ステラナビゲーターを使ってシミュレーションした金星は下の通りです。 視野円は、見かけ視界50度、250倍です。
↑2017年1月21日の金星
↑2017年2月20日の金星
↑2017年3月2日の金星
↑2017年3月12日の金星
このように、これからほぼ2ヶ月先の内合に向かって金星は大きくかつ、欠けて見えるようになります。内合の3月末を過ぎると朝方、日の出前の東の方角に見え始め、今度は西方最大離角に向け小さく、そして、半月状になっていきます。
実はこの内合付近の大きく欠けた金星の姿、私の大好きな対象の1つです。
欠けた姿を見るには50倍程度の望遠鏡が必要となりますので、少し敷居が高いかも知れませんが、小型の望遠鏡でも勿論十分確認することが可能です!
お持ちの方はこれから2ヶ月間、その姿を大きく変える金星に是非ご注目下さい!!
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