CRUX170HD 赤道儀 ― 2023年02月21日
CRUX170HDについて、最後気になっていたところを評価しました。自身への備忘録として書いておきます。評価したポイントは以下です。
・USB及びWifi経由でのPC接続
・リモートでのパーキング操作
CRUX170HDのコントローラーである、TiTaN TCSですが、PCとの接続方法は、
1.RS-232C
2.USB-TypeAポート
3.Wifi(ステーションモード、アクセスポイントモード)or Bluetooth
※Wifiと Bluetooth はファームウェアでの切り替え利用
が可能です。これだけ色々な接続方法をサポートしているコントローラーも少ないですよね。
先日まで試していた方法は、RS-232C。PCへは、RS-232C to USBの変換ケーブルを使って接続していました。ボーレート115,200bps(変更も可能)だけ気を付ければ、特に問題なく接続できたのですが、USB-TypeA、Wifi (ステーションモード)でも全く問題なく簡単に接続できました。
USB-TypeAで接続すると、2つの仮想シリアルポートとしてPC上に認識されます。この2つのシリアルポートは同時利用も出来るとのことです。私は、認識された2つの内1つをステラショット2で利用し、問題なく接続、動作することを確認できました。
次に、Wifiのステーションモードですが、自宅で利用する際にはとても便利です!
TiTaN TCS に自宅WifiのSSIDとパスワードを入力することで、自宅LAN環境に接続、DHCPからアドレスを自動取得します。あとは、同様に自宅LANに接続されたPCで簡単に制御できます。凄く簡単です。
Bluetooth にFirmware での切り替えでちょっと面倒だったので試していません。こちらの動きは、USB接続に似ていて、2つの仮想シリアルポートとして認識するようです。利用は1つのポートのみとのことでこのあたりがUSBとの違いです。
最後、TiTaN TCS の特徴であるパーキングモードです。CRUX170HDにはクランプが無く、電源を切ると動かすことが出来ません。このため、次回立ち上げた時に赤道儀が不意に変な方向を向かないように、電源Off時の状態を覚えさせておく方法として、定義されているのが『パーキングモード』です。
コントローラーの左上のボリュームスイッチを反時計回りに回転させ、スイッチを切ると、自動的に赤道儀がパーキングの位置(東側高度0度)に戻り、電源Offとなります。
これ、手元にコントローラーアがあるときには良いのですが、離れたところから操作している際にはどうやって電源切ればよいのだろう?というのが今回確かめたかったところです。
結論から申し上げると、簡単でした。PCにTiTaN TCSを接続すると、ASCOM経由で制御できるのですが、そのASCOMに以下の様なラジオボタンがあります。
・Parking at current location
・Move to saved point, Park
『Parking at current location』 を選択してParkボタンを押すと、現在の場所がParkigPositionとして記憶されます。そのまま電源を切って次回、Unparkすると、前回電源オフした状態から再開可能です。
『Move to saved point, Park』 を選択して、Parkボタンを押すと、通常のボリュームボタンを切ったのと同様、ホームポジションである、東側0度まで戻って電源Offとなります。
凄く便利ですね。TiTaN TCS 良くできています。リモート天文台にも問題なく利用できそうです。(^^)
CRUX170HD ― 2022年08月05日
前回シェアさせていただいた網状星雲、実は赤道儀にCRUX170HDを使いました。初めて撮影で利用しました。望遠鏡はFS60-CB、カメラはD7500をTiTaN TCS経由のステラショット2で制御しました。
結論から申し上げますと、とてもスムーズに何の問題もなく利用できました。オートガイダーも入れましたが、非常に精度よく追尾していたように思います。この辺りは流石、ハーモニックドライブ赤道儀、オートガイダーへの反応がよいのでしょうかね。
このCRUX170HDは極軸望遠鏡がありません。このため、マニュアルにはPole Masterを利用するように記載がありますが、私は持っていません。お借りしている赤道儀のために購入するのもちょっと抵抗があったので、ステラショット2の極軸補正機能を使いましたが、こちらも何の問題もなく機能しました。
実は、ビクセンのスターブックテンだと、このあたり、結構怪しい動きも多いのですが、多機能さが災いしている気もします。その点、TiTaN TCSは基本機能がしっかりしていてシンプルなので、動作も安定しているのではないかと思います。
ま、FS60-CBですから、CRUX170HDにとっては 『おちゃのこさいさい』 というところなのかもしれませんが、5kgという超軽量かつ、カウンターウェイト無しで、余裕で超安定して動作するところを見ると、凄くたくましく思いましたし、この赤道儀を使いこなすとウォームギアタイプの赤道儀は使えなくなるだろうな、という気がしました。
中々良いですよ、CRUX赤道儀。
ちょっと高いのが玉に瑕ですが。最大積載量を考えると、そんなに高くないモデルもあるのかなと。欲しくなりました。快くレンタルしてくれたショップの戦略に、完全にはまっているかも知れませんが・・・。(^^)
CRUX 170HD ― 2022年06月08日
ハーモニックドライブ赤道儀、CRUX 170HD の評価の続報です。
今回は、カウンターウェイトを付けた時の最大積載量での動作について確認してみました。CRUX 170HDは、天文ハウスTOMITAのホームページによると、
・カウンターウェイト無し・・・10kg
・カウンターウェイトあり・・・24kg*
*HOBYM Observatoryのホームページでは、DEC 表面上部10㎝で20kgと記載があります。
DEC 表面上部から10㎝で20kgということは、口径15㎝、20kgの屈折望遠鏡TOA150Bクラスまでということになるのでしょうかね。
私は持っていないので、笠井トレーディングのGinji 300FN(20kg)を乗せてみました。実はHOBYMのホームページ確認する前に24kgと思ってテストしたのですが、口径考えると積載重量オーバー気味のシステムだった様です。
カウンターウェイトは、3.5kgです。
ちょっとオーバー気味の構成でしたが、導入などの駆動は問題なく、とてもパワフルに動作しました。小さな赤道儀ですが、30㎝のニュートンを問題なく動かせる能力にはただただ感服しました。流石はハーモニックドライブです。(^^)
ただ、望遠鏡の向きが北極に向き始めた時に問題が起きました。高度調整ネジの締め付けが望遠鏡の主鏡側の重さに負けて、赤道儀の高度がグググっと高くなり始めたんです。
バランスは大体このあたりかな?と思って望遠鏡を赤道儀に取り付けたのですが、主鏡側が重かった様です。ハーモニックドライブの場合、バランスを確認する方法がありません。また、CRUX 170HDは、ビスが下から支える形で高度を調整します。ただし、上側を押さえるビスが無いんですね、このため、高度を上げる方向はFreeです。
高度調整ビス(下から支えてます)
上側にはビスがありません
下の写真の左側上部に見える、『棒が付いたハンドル』 が高度を固定するためのハンドルで、こちらは手で締められる範囲できつく締めたつもりです。ただ、あくまで仕組み上は摩擦による締め付け。このため、今回のテストでは、ニュートンの主鏡側の重さに、締め付けが耐えられずに赤道儀が上を向いてしまったということになります。
私の所有する赤道儀だとGP2がこのような形だと思いますが、AXDは上下両ネジによる固定です。CRUX 170HDが下だけで支える形になっているのは、恐らく、経緯台モードもサポートしている事によるのだと思いますが、重いものや長い物を乗せるのはちょっと怖いなと思いました。
ホームページに掲載されている写真を見ると、CRUXでは、170HDだけではなく、より大型の320HDまで同じような仕組みを採用していて、T-4000だけ上下でがっちり固定するタイプの様です。
カウンターウェイト込みでサポートされる最大搭載重量の割には、この辺りの作りは少しチープかなと感じます。
CRUX 170HD TiTaN TCS ― 2022年06月03日
ハーモニックドライブ赤道儀、CRUX 170HD + TiTaN TCS の評価の続報です。
昨日は実際の星空に対する動作を確認してみました。今回二度目。前回はファームウェアとASCOMドライバーの問題で赤道儀の暴走にしばしば悩まされロクに評価が出来ませんでしたので、再チャレンジ。
ちなみに、今、TiTaN TCSのASCOMドライバー及びファームウェアは共に3.4.4(Beta バージョンの様です)を利用しています。
今回評価したかったのはアライメントについてですが、結論から申し上げますと、ちょっと残念な結果でした。
CRUX 170HDは赤道儀だけではなく経緯台でも利用することが出来るようですが、赤道儀で利用した場合は、極軸合わせが必須の様です。追尾も赤経のみで赤緯の方は動きません。
アライメントも1スターアライメントのみで、2つ以上のアライメント取得で、極軸のずれを補正して自動導入、ということは赤道儀モードではできない様です。
南向きの私の自宅のベランダからは北極星が見えません。そういう環境ではこのCRUX 170HDを赤道儀モードで使うのはかなり難しそうです。(望遠鏡にカメラを付けて、ステラショット2の極軸補正を使えば出来るかもしれませんが、単なる観望では凄く面倒で、やる気が起こらないです)
マニュアルにも1スターアライメントの記述はありますが、2スター以上の記述はありません。逆に、極軸はPole Master(社外品)などを使って正確に合わせてくださいという記述はいくつか見受けられますので、ま、そういうことなのかと思います。
北極星が見えない場合は経緯台で使え、ということなのでしょうかね。
赤道儀モードをお気軽に使うにはちょっとハードルが高そうです。
そういう意味では、Vixenのスターブックテンは良く出来てますね。見た星を複数アライメント取って正確に自動導入してくれるのでとても使いやすいです。
CRUX 170HDに関しては、極軸を正確に合わせて、自動導入の精度やPEC、オートガイダーを使った追尾精度などを追加で確認してみたいと思います。
TiTaN TCS ― 2022年05月31日
CRUX 170HD をコントロールする、TiTaN TCS のインターフェースについて備忘録兼ねて書いておきます。(^^)
この写真は、コントローラー上部を逆さまから見ています。
左から
・電源スイッチ
・望遠鏡接続用 D-sub15ピンメスコネクター
・ボリューム(RA/DECのスピードコントロール、パーキングモード)
真ん中やや右側にある輪っかはコントローラーをぶら下げるため?の金属フックです。今回お借りしたコントローラーはそこに結束バンドが取り付けてありました。
望遠鏡の速度コントロールは、例えばSynScanのハンドコントローラーだと、速度変更ボタン押して、速度ボタン押して、などいちいちボタン見ながら変更しなければなりませんが、こういったボリュームタイプだと望遠鏡覗きながら好みの速度に変更できるので思いのほか便利です。
下の写真はコントローラーを裏返しにして下部から見たもの。
こちらも左から
・カメラコントロール(レリーズ用)
・USB-Aコネクタ
・RS232C x 2(A/B 2系統)
・オートガイダー
右側の赤く見える部分はオートガイダーのガイド状況を示すLEDとの事
・電源ポート DC12V
USBコネクターは、電源供給用かな?と思ってましたが、マニュアル見ると、USB to USBでPCに接続して、ASCOM制御ができるようです。
私はこういう機器を見ると反射的にRS232Cを使ってしまうので、今回もご多分に漏れずRS232Cで接続、テストしましたが、USBで出来るのならそちらの方が楽かもしれませんね。(笑)
電源は12V/4A 推奨となっていますが、恒星追尾の際の消費電流は、0.25~0.6Aとのこと。かなり少ないのではないでしょうか。
望遠鏡やPC/ASI Air Pro との接続にはこんなケーブルを使います。
真ん中がTiTaN TCSコントローラー、右側がD-sub15に接続した望遠鏡接続用のケーブルです。RA/DECの二本が出ていて、これをCRUX 17HDのそれぞれ赤経、赤緯モーターに接続します。電源供給と信号が一本のケーブルで提供されています。
左側がRS232Cケーブルです。ASI Air Proとの接続はこんな感じです。
RS232C to USB 変換ケーブル経由でASI Air Pro に接続しています。変換ケーブルによっては、ASI Air Pro から認識できないものもありそうなので、追加Driver なしでLinuxで動作可能なものを選んだ方が良いかもしれません。有線接続に関しては、まだ試してないですが上記の通り、USB to USBでも接続できるかも知れません。
操作感ですが、TiTaN TCS側で微動操作すると、ASI Air Pro 側で認識せず、位置が変わらない(表示上の問題だけで動作上支障はありません)のが少し残念ですが、接続後の動作は良好です。ちなみに、ステラショット2にTiTaN TCS のASCOM Driver経由で接続した際は、TiTaN TCS の微動操作がリアルタイムでステラショットの画面にUpdateされました。
ASI Air Pro の接続はASCOMではないのでその違いなのでしょうかね。ま、ASI Air Pro での操作も基本的には快適です。
そうそう、あと、マニュアルに以下記載がありました。
『TiTaN TCS の ASCOM Driver と、ファームウェアのバージョンは同じものを利用しなければなりません』
知りませんでした。
ステラショット2からASCOM経由で色々操作した時に、CRUX 17HD が暴走する動作がしばしば見られたのですが、ファームウェアのみアップデートしてしまったためと思われます。原因が私のミスオペレーションだと分かってすっきりしました。
TiTaN TCS 小さな中に機能が詰め込まれた、良く出来たコントローラーだと思います。
ハーモニックドライブ赤道儀 CRUX 170HD その2 ― 2022年05月30日
昨日の続きです。お借りしているハーモニックドライブ赤道儀、CRUX 170HDの基本的な動きが分かってきましたので書いてみたいと思います。CRUX 170HD は、TiTaN TCS というコントローラーで操作します。操作ボタンは iPod の様な感じと言えばよいのでしょうか、凄くシンプル。
・中央・・・決定ボタン
・回転入力・・・メニューを高速に移動
・外側・・・赤道儀のRA/DECを操作
という感じです。戻るボタンが無いので最初は戸惑いましたが、回転入力が良く出来ているので慣れれば問題ありません。
電源は一般の赤道儀同様12V。
TiTaN TCS経由、RA/DECのコードで赤道儀に供給されます。つまり、信号と電源供給がRA/DECそれぞれ1本ずつで供給される形です。
赤道儀の使い勝手を決めると言っても良いこの黒いBox、『TiTaN TCS』 ですが、結構色々な機能が搭載されています。
・ホームポジションは真東、真西、南などから選択できます。
VixenのSB10の場合、ホームポジションは真西ですが、TiTaNの場合選択可能です。選択可能、というとことは逆に言うと、電源を入れた後、ホームポジションでまず、Sync(アライメントですね)処理を行う必要があります。
最初これが理解できてなくて、望遠鏡が下向いたり、全然違う方向向いたり。(笑)
ホームポジションをきちんとシンクしていないのが原因でした。動作を理解してからは想定通り動くようになりました。
・安全機能として以下が搭載されています。
Meridian Stop・・・子午線越えの自動停止
Meridian Limit・・・子午線越えをどこまで許すか
Go Below Horz・・・地平線以下の導入を許すか
※他にもいろいろありますが、とりあえずイナバウアーと、鏡筒下向きの防止関連
・Bluetooth or Wifiどちらかを選択利用可能(ファームウェア書き込み時に選択)
ファームウェアとASCOM Driver はこちらからダウンロードできます。Bluetooth or Wifi は、ファームウェアを書き込む際にラジオボタンで選択する感じです。
https://www.hobym.net/firmware
現時点で Firmware、ASCOMドライバー共、最新バージョンは、3.4.4です。実はお借りした時点でファームウェアが結構古く(3.2.2でした)、ASCOM経由で操作した際に動作に不安定さを感じたため、最新版にUpdateさせていただきました。Updateしたところ、不安定さは解消しました。
選択可能な無線ですが、私はWifiを選択しました。ステーションモードと、APモード、両方とも可能です。例えば、TiTaN TCSを自宅に設置したWifi親機に接続し、ステラショットとLAN経由で通信したい時には、ステーションモードで接続すればOK。ASI Air Proと接続するときも、ステーションモードで接続できます。逆に、APモードで立ち上げれば、PCを無線子機としてWifi 親機のTiTaN TCSに接続できます。便利ですね。
有線の場合は、RS232C接続となります。ま、最近だとRS232C to USB 変換ケーブル使ってPCやASI Air Pro にUSB接続ですね。
(5/31Update)
マニュアルによると、USB-A to USB-A の有線接続でもコントロールできるようです。こちらは試していないので分かりません。
(Updateここまで)
※古いFirmware はASCOM経由での少し安定性に欠けていた(微動操作をASCOM経由で繰り返すと赤道儀が暴走するような動きを何度か経験しました)気もしますが、最新バージョンは今のところ問題なく動いています。
(5/31Update)
ファームウェアとASCOMドライバーのバージョンは同じものを使う必要があるとマニュアルに記載がありました。不安定な動作はバージョンの不一致と思われます。Update後はファームウェア、ASCOMドライバーとも3.4.4となっています。
(Updateここまで)
ASI Air Proでは直接、『HBOYM crux Series』 が選択可能です。ボーレートのデフォルト値は、115,200bps(変更も可能)です。ASI Air Pro のデフォルト設定は 9,600ですので変更すれば繋がります。
接続は、シリアルだけではなく、LAN も指定可能です。TiTaN TCS側でWifi選択した場合は、LAN接続を選んで TiTaN TCS のIPを指定すれば接続できる・・・はずです。(ごめんなさい試してませんw)
ASI Air ProをCRUX 170HD に接続し、ベガ → デネブを導入した時の動きはこんな感じです。
ベガに望遠鏡が向いている状態です。
ターゲットで、デネブを選択
デネブに向かって赤道儀(青丸)が動いてます。
さらに動いて・・・
デネブに向きました。
その後、微動操作でデネブを中央に合わせて、Alineすれば完了
勿論、ASI Air Pro の超便利機能、プレートソルビングを使えば自動でターゲットを中央導入→アライメントが完了する・・・、はずです。
ごめんなさい、上記は昼間に動作シミュレートしたものなので、カメラも接続していませんし、勿論星も見えてませんので、そこまでは試せてません。
そのあたりの使い勝手はまた次回!
ハーモニックドライブ赤道儀 CRUX 170HD ― 2022年05月29日
最近すごく気になっていたハーモニックドライブ赤道儀、ショップのご厚意でお借りすることが出来ました。CRUX 170HDです。ハーモニックドライブって今までのウォームギアの赤道儀と違って、以下の特徴があります。この辺りの記事をご確認ください。
利点
・本体重量からは考えられない積載可能重量を有する
・ウェイトの無い構成も可能*
(最大積載重量は少なくなります)
・バックラッシュが無い
・応答性が良い
オートガイダーへの反応が非常に速い
*赤道儀ごとにウェイト無しの時の最大積載量と、ウェイト追加時の最大積載量が記載されています。
注意点
・非常に高価
・ピリオディックエラーが大きい
(PECで補正可能)
・クランプが無い
・電源Offにすると保持力が落ちる
(バランスが悪いと赤道儀が動いてしまう)
軽くて、重いものを載せられるところが凄く魅力的ですよね。AXD持っているのですが、重い・・・。(笑)皆既日食観測で海外に持っていく時にも重宝しそうです。
今回、天文台用途で利用できるかどうかを確認するためお借りしました。実際に購入を検討しているものはもう少し大型のものなのですが、まずは、ハーモニックドライブ赤道儀ってどんな感じなのか、というところを確認していきたいと思っています。
ちなみに、今回お借りしたCRUX 170HDは以下のような感じです。詳細はこちら。
・本体:4.9Kg
・最大積載量:10Kg(ウェイト無し)
24Kg(3.7kgのカウンターウェイト利用時)
・ピリオディックエラー±8秒角(PEC補正の場合)
本体重量はビクセンのGP2並みで、最大積載量は、AXJ並みです。しかも10kg までであればウェイトレスでも行けるとのこと。
一昨日お借りし、テストを始めたばかり(しかも昼間)なので、まだまだよくわからないところもありますが、まずはテスト第一弾です。
ちなみに、CRUXは天文台への導入を考えているので確認したかった点は以下の通りです。
・電源Off時に本当に赤道儀が動いてしまうのかどうか?(最大積載量以内であれば問題ないというWebの記事もありますが)
・ステラショットや ASI Air Pro と接続して使えるか?
・その他、細かいセーフティ機能(子午線越えへの対応)やアライメント取得方法などの使い勝手
などです。
まずは、気になっていた電源Off時の赤道儀の動きを確認したくて、ε-160ED(本体7kg+バンドなど2kg=9kg)をウェイトレスで取り付けてみました。
ウェイト無しで10kgなので、ε-160EDの口径を考えるとちょっと厳しいかもと思いましたが。(^^)
この写真は、電源Onの状態で鏡筒を取り付け、バランスが厳しそうな状態まで動かし、(恐る恐る)電源Offした時に撮影したものです。
結果、赤道儀が動き出すこともなく、止まったまままでした。ちなみに、付属したマニュアルには、電源Off時に望遠鏡が動くようであれば、動かないようにカウンターウェイトを追加ください、と記載されていました。電源Offにしたのは数分でしたので、長時間になると違った結果もあるのかもしれませんが、そんなに心配することはなさそうです。
動作に関しては凄くスムーズ。上記構成で、ウェイトレスでも全く問題ありません。
また動作音の少なさに驚きました。非常に静かです。恒星時で追尾している時は、少なくとも私には全く音が聞こえません。昼間のテストなので、
『止まってんじゃないの?』
と疑って、10分程放置したほどです。高速導入時も、他の赤道儀に比べてもかなり静かだと思います。
ということで、第一弾でした。
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