CP+ 2024 その22024年02月25日

CP+ 2024 続報です。

Vixenサイトには VSD70SS 以外にも屈折望遠鏡の参考出品が目白押し。面白そうだなと思ったのは、SDP65SS です。



口径65㎜で、F5.5の360㎜。SDとEDを1枚ずつ含んだ4群4枚の光学系でイメージサークルは44㎜。面白いことに、フォーカサーが対物移動式となっています。動画はこちら。ドローチューブの繰り出しを無くすことで重いカメラを接続してもたわまないことを目的に開発した、とのことです。実は隣には通常のドローチューブが繰り出されるモデルも展示されていました。最終的には、対物移動方式になるとのことです。既に発売されているFL55SS は、結像性能の割に接眼部が華奢という評価も散見されましたので、それを克服するという意味では意欲作なのかもしれません。

この望遠鏡ですが、

『写真撮影に特化した鏡筒

とある通り、スポットシミュレーションや周辺減光を見る限り結像性能は結構良さそうに思います。中央部もシャープそうなので、眼視性能もそれなりに良いのではないでしょうか。


対応するレデューサーも展示されていました。主焦点の 360㎜ F5.5 がレデューサーを付けると、288㎜ のF4.4 (x0.8)となります。

ぱっと見、

『口径小さいな・・・

と思いました。VSD70SSの大きなレデューサーを見た後だけに尚更。

その為でしょうか、イメージサークルは 30mm で APS-C までの対応。APS-Cであれば、周辺光量は95%以上ある様です。

この辺りは、口径や焦点距離がVSD70SSと近いため、フルサイズ周辺でも最高の星像と光量が必要な人はVSD70SSを買ってね、ということなのかもしれません。

APS-C対応とはなっているものの、スポットシミュレーションを見る限り、フルサイズ対応の FL55SS+レデューサーと比較しても周辺が極端に悪いとも思えませんので、光量の問題だけかなと思います。実際、Vixenのサイトには ASI 6200MMで撮影した時の写真が掲載されています。フラット補正必須でしょうが、個人的には星像は十分利用範囲かなと思います。

VSD70SS、SDP65SS、どのくらいの価格で出てくるのでしょうね。

この辺りの屈折望遠鏡は Askar や William Optics のRed Cat、最近だと ZWO も参入して多くの製品が投入され、激しいバトルが繰り広げられています。

どちらかというと後発の Vixen が『後出しじゃんけん』 のメリットを享受できるか。製品開発側は大変でしょうが、買う側としては選択肢が増えることは喜ばしいことですね。(^^)

その他、ビクセンサイトで気になったものを下記します。

参考出品の、口径72㎜で焦点距離432㎜のF6。SDレンズを利用した望遠鏡です。写真を撮り忘れたのと、サイトにも記載されていませんが、恐らく1群2枚の眼視用の望遠鏡だと思います。ビクセンの製品には珍しく、デュアルスピードフォーカサーも標準装備されています。このあたりからも眼視メインの製品コンセプトであることがうかがえます。

撮影用にはAPS-C対応のレデューサーも準備されています。

1群2枚のSDレンズを使ったビクセンの望遠鏡では、F7.7で 81mm、103㎜、115㎜ がラインナップされていますが、こちらはF6でかなり短焦点。口径が小さくなると収差も少なくなると理解していますが、眼視性能はどんなものなのでしょうね。

しかも、製品名に付けられている、SDE72SSの、『E』が気になります。

Super Extra-Low Dispersion Optics 

との事なので、Extra-Lowの頭文字『E』なのかな...と思ってますが。この辺りは今度ビクセンの方に聴いてみたいと思います。(^^)

ガイド用の 1/3 インチCMOSカメラです。こちらは既に発売されています。



イメージセンサーは、IMX225。中国製のモデルが沢山出回る中、ビクセン製品で出てきたのに驚き、

『まさか自社製じゃないですよね?

と質問したところ、やはり、他社製だそうです。なぜわざわざこの商品を製品化したかというと、昨年発売した、接眼部が取り外せる暗視野ファインダーIIで、接眼部からこのオートガイダーに取り替えてもフォーカス位置が大きく変わらない様にバックフォーカスの合うカメラが必要との判断からだそうです。確かにフォーカス位置が変わると面倒ですよね。

ま、撮影メインであれば、そもそもファインダーは必要ないのでオートガイダー専用に合わせておけばよいとの考えもありますが、そうすると、暗視野ファインダーIIは不要。という堂々巡りになる。(笑)

このカメラに対応するオートガイドソフト、『Vixen Autoguider』 も展示されていました。


メインカメラの操作には対応しておらず、オートガイダー用のソフトだそうです。このオートガイダー他のソフトにも対応しているのでしょうかね?そのあたりの互換性は気になるところです。

直焦ワイドアダプター60DX for 48mm
48㎜接続になっているカメラ(ZWOなどですね)を直接接続するためのカメラアダプター(写真左)です。こちらは参考出品です。


カメラ接続側は48㎜で、裏側はM56のアクセサリー接続用のネジが切ってあります。コレクターph などが接続できる様です。恐らくこの辺りを使えば、M48やM52のフィルターを取り付けることもできるのではと思います。

バックフォーカスを合わせるための延長筒は別途カメラごとに必要になります。この辺りがいつも悩みの種ですが。


色々出てくるようで楽しみですね。

個人的には、最近屈折ばかり、ε160EDの様な驚異的な性能を持つ反射にも出てきて欲しいですが。(笑)

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