Pentax Q 惑星撮影 その32013年01月20日

惑星撮影含め、天体写真に利用すると面白そうなPentaxQですが、天体専用のカメラではありませんので、いくつかの使いにくい点や制限もあります。私も購入前にいろいろと調べ、それなりに理解して購入したつもりだったのですが、いざ使ってみると、あれっ、そうだったんだ・・・、というものもあります。今まで色々使ってみて、私が感じたところをご説明したいと思います。

1.ISO感度(125~6400)は、露出が2秒を超えると最大1600となる
例えば、30秒、ISO6400という撮影は出来ません。ま、あまり1600を超える感度で撮影したいと思うことも無いですが。

 
2.バルブ撮影の最長は32秒(バルブ以外では最大30秒)
惑星撮影では必要ありませんが、暗い天体を撮影する際に必要なバルブ撮影が32秒で強制終了となります。通常の露出設定でも最大30秒の設定が可能ですので、実質バルブを使うことはありません。暗く小さな天体を写すのに良さそうなPentaxQですが、30秒、ISO1600で写せる範囲が基本となります。
多重露光など特殊なものを利用すれば・・・、ということもありますが、一回の撮影では上記の通りです。この制限は購入後初めて知りました。

 
3.電子シャッターの最大露出時間は2秒!
PentaxQのシャッターには以下の二つがあります。

・カメラに内蔵される電子シャッター
・レンズに内蔵される物理シャッター

上記のうち、電子シャッターの最大の露出時間が2秒となっています。シャッター付きのレンズを使ったコリメート法では30秒の露出が可能ですが、カメラアダプター経由で望遠鏡に接続する直焦点の場合、最大露出時間が2秒となってしまいます。惑星撮影では問題ありませんが、露出時間が必要な天体には厳しい仕様ですよね。このため私は、KマウントアダプターQを使っています。このKマウントアダプターQは、PentaxQにKマウントのレンズを取り付けるためのアダプターで、物理シャッターが内蔵されているため、望遠鏡に接続した場合でも30秒までの露出が可能となります。価格が高いのが難点ですが、望遠鏡での30秒露出も行いたかったので私は購入してみました。

 KマウントアダプターQ
KマウントアダプターQ



4.液晶表示の問題
静止画撮影モードで、木星等の小さく明るい惑星を導入すると、液晶表示上、異常に露出オーバーで表示されます。マニュアルモードで適切な露出を設定すれば、適切な露出で撮影自体は出来るのですが、液晶表示はあくまでカメラの露出計ベースで表示されるようで、木星に対しては極めて露出ーバーの状態で表示されてしまいます。
 この明るすぎる液晶表示の状態だとピントを合わせることすら出来ません。

・・・、で、どうしているかと申しますと、動画モードでピント調整を行っています。動画モードではカメラの露出計ベースではなく、設定した露出ベースで液晶表示を行ってくれるので、こちらでピントを合わせた上で、静止画モードに変更して撮影を行っています。

静止画モードでも、せめてマニュアルモードの時には、設定した露出ベースで液晶表示も行えるように次回のファームウェアで変更お願いできないでしょうか・・・、Pentax殿。

5.ACアダプターの配線
PentaxQの電池の持ちはよくありません。これは一般的にも言われていることですが、天体撮影の様に露光時間が長い場合はより顕著になります。このため、私はACアダプタを購入したのですが、これが結構使いにくいんです。まず、ACアダプタの配線ですが、ボディ下から抜く形なんですよね・・・。

ボディ下から抜くACアダプタ配線
 
ACアダプタ

 
このため、コリメート撮影に使うビクセンのブラケットと見事に干渉します。
 
ACアダプタとカメラアダプタ

このままですと、光軸合わせに支障が出ますので、電池ボックスのフタを開けたまま撮影するしかありません。フタを開けたままでもカメラとしては動作はするようですが、夜露やホコリのこともありますし、気持ちのいいものではないです。
 
また、もう一つ、上記干渉している細いケーブルが比較的短いため、カメラを望遠鏡に取り付けると、ACアダプタ本体がブラブラ垂れ下がる状態になります。この状態だと、望遠鏡のバランスの面でも好ましくなさそうです。
ということで、PentaxQを天体撮影で利用される場合は、ACアダプタを利用するより、換えの電池をいくつか持っておく方がBetterな気がします。