FS-60Q 詳細2013年01月05日

FS-60Qは、

対物レンズ、1.7倍エクステンダー、接眼部

の3つのパーツで構成されており、焦点距離は600mmのF10です。エクステンダーを組み込むことによりF10という無理のない設計になり、収差のほとんど感じられない素晴らしい望遠鏡になります。このエクステンダー部分はねじ込み式となっていて、簡単に取り外すことが出来ます。取り外すと、FS-60CB相当、焦点距離は355mm(F5.9)となります。

エクステンダー(写真左)を取り外した写真。びっくりするほどコンパクトになります。

F-60CB

PentaxQの直焦点で写真を撮ろうとすると、その拡大率の高さから、撮影対象によっては短い焦点距離の望遠鏡が欲しくなることがあります。その際は、この様な構成で写真を撮っています。

試しにFS-60CB+PentaxQの直焦点で月を撮ってみました。この組み合わせも相性良さそうですね。

FS-60CB moon

ちなみに、FS-60CBはF5.9ですので、通常の35mmフルサイズやAPS-Cで写真を撮ると、周辺像がかなり悪化します。このため写真を撮る際はフラットナーなどの利用が鉄則だったりするのですが、PentaxQの場合、中心部だけの強拡大となるので、フラットナーは必要なさそうな気がしています。

Pentax Q 拡大率その22013年01月05日

PentaxQを使うと、35mmフルサイズやAPS-Cよりも拡大率を稼げるのですが、イメージしやすいように、FS-60CBとPentaxQで実際に撮影した月の写真を、APS-C、35mmフルサイズの画角と比較してみました。こんな感じになります。


size

随分違いますよね。
この拡大率こそ、私がPentaxQを惑星撮影用にと考えた理由の一つなのです。


Pentax Q コリメート法 その12013年01月05日

今回は、眼視中心の私を写真撮影に導いてくれたコリメート法についてご説明したいと思います。

私の天体歴は30年ほどです。まぁ、そのうち15年くらいは抜けてるので、実質は15年ほどなのですが、そのほとんどが眼視での観測です。勿論、見ると美しい、土星や木星を写真に撮りたいと考え、フィルムカメラで実際に写真に撮っていたこともあります。ただ、そのほとんどが、目で見た物より大きく劣る物で、観測は眼視中心!を加速させた面はあります。

最近は、首都圏周辺の自宅のベランダを主な観測地としていますが、たまの休暇に望遠鏡担いで夜空の綺麗なところに行った時には以下の葛藤に苦しみます。

眼視を行うのか、それをあきらめて写真撮影を行うのか・・・。

その究極の二者択一を、両方同時に満たしてくれるのがコリメート法です。

コリメート法は、接眼レンズを付けた望遠鏡を、目で覗く代わりにカメラで覗いて撮影する方法です。観測会などの時に、携帯電話のカメラを接眼レンズに押し当てて撮影している方をたまに見かけたりしますが、まさにあの方法です。

この方法のメリットはなんと言っても、今、まさに目で見ている物を写真に撮ることが出来るということであり、私にとってはこのメリットが極めて大きいのですが、公平を期して・・・、特徴を下記します。

メリット
 ・今見ている物を写真に撮ることが出来る!
 ・レンズの取り外しが出来ないコンパクトデジカメや携帯電話等でも撮影可能
 ・倍率の微調整が容易(接眼レンズを取り替えるのみ)
 ・眼視からのパーツの変更が少ない(基本的に追加のみ)

デメリット
 ・対物レンズ、接眼レンズ、カメラのレンズを経由することによる像の劣化がある
 ・ピント合わせが2重で必要(望遠鏡とカメラ側)
 ・光軸の調整や、ケラレへの対処が必要


合成焦点距離の計算方法などは後ほど記載させていただくとして、まず、構成方法についてご説明したいと思います。

ちょっと前置きが長くなってしまいましたので、”その2”に続くということで・・・。