CRUX 170HD ― 2022年06月08日
ハーモニックドライブ赤道儀、CRUX 170HD の評価の続報です。
今回は、カウンターウェイトを付けた時の最大積載量での動作について確認してみました。CRUX 170HDは、天文ハウスTOMITAのホームページによると、
・カウンターウェイト無し・・・10kg
・カウンターウェイトあり・・・24kg*
*HOBYM Observatoryのホームページでは、DEC 表面上部10㎝で20kgと記載があります。
DEC 表面上部から10㎝で20kgということは、口径15㎝、20kgの屈折望遠鏡TOA150Bクラスまでということになるのでしょうかね。
私は持っていないので、笠井トレーディングのGinji 300FN(20kg)を乗せてみました。実はHOBYMのホームページ確認する前に24kgと思ってテストしたのですが、口径考えると積載重量オーバー気味のシステムだった様です。
カウンターウェイトは、3.5kgです。
ちょっとオーバー気味の構成でしたが、導入などの駆動は問題なく、とてもパワフルに動作しました。小さな赤道儀ですが、30㎝のニュートンを問題なく動かせる能力にはただただ感服しました。流石はハーモニックドライブです。(^^)
ただ、望遠鏡の向きが北極に向き始めた時に問題が起きました。高度調整ネジの締め付けが望遠鏡の主鏡側の重さに負けて、赤道儀の高度がグググっと高くなり始めたんです。
バランスは大体このあたりかな?と思って望遠鏡を赤道儀に取り付けたのですが、主鏡側が重かった様です。ハーモニックドライブの場合、バランスを確認する方法がありません。また、CRUX 170HDは、ビスが下から支える形で高度を調整します。ただし、上側を押さえるビスが無いんですね、このため、高度を上げる方向はFreeです。
高度調整ビス(下から支えてます)
上側にはビスがありません
下の写真の左側上部に見える、『棒が付いたハンドル』 が高度を固定するためのハンドルで、こちらは手で締められる範囲できつく締めたつもりです。ただ、あくまで仕組み上は摩擦による締め付け。このため、今回のテストでは、ニュートンの主鏡側の重さに、締め付けが耐えられずに赤道儀が上を向いてしまったということになります。
私の所有する赤道儀だとGP2がこのような形だと思いますが、AXDは上下両ネジによる固定です。CRUX 170HDが下だけで支える形になっているのは、恐らく、経緯台モードもサポートしている事によるのだと思いますが、重いものや長い物を乗せるのはちょっと怖いなと思いました。
ホームページに掲載されている写真を見ると、CRUXでは、170HDだけではなく、より大型の320HDまで同じような仕組みを採用していて、T-4000だけ上下でがっちり固定するタイプの様です。
カウンターウェイト込みでサポートされる最大搭載重量の割には、この辺りの作りは少しチープかなと感じます。
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